1917年(大正6年)創業。創業者は、中華そばの草分けである浅草の来々軒におられた方で、見た目から付けられた当時のあだ名を屋号にしたのだそうです。現在は創業者の孫にあたる三代目が弟と営業しています。創業当時よりメニューは変わらず、中華そばとワンタンのみの展開です。来々軒の末裔の店として、千葉市に進来軒という店がありますが、それぞれ全く別の進化を遂げて現在に引き継がれているのですね。
小ぶりの丼になみなみと入ったスープは、たまり醤油の香りがしっかりと感じられます。油は浮いておらずみりんのような風味もあり、日本蕎麦のツユのようですね。麺もまた非常に特徴的ですが、こちらは自家製ではなく製麺所の特注だそう。断面の丸い中華麺ではありますが、かんすいは控えめで、小麦の香りや食感が冷麦のような感じもします。スープの蕎麦ツユのような風味とも重なるので余計に錯覚しますね。ちなみに200gのボリュームがありますが意外とスルッと入ります。チャーシューは脂身に醤油味がしっかり染みており美味い。一朝一夕では作り上げられない歴史を感じる一杯が、100年以上の時を超えて残り続けてることは非常にありがたいですね。