2001年9月3日オープン。七沢温泉郷にあるラーメン店。中村屋の2号店的な形でしたが今は違うようですね。厚木の山奥に観光を兼ねて客を呼び寄せるといった考えが見事にはまっています。入口ではファミレスのように名前と人数を書いて待つ形式です。店内はステンレスで統一され薄暗くバーのような雰囲気ですね。カップルや家族連れにもおすすめです。
保温性に優れたステンレスの器で提供されます。こってりとあっさりは鶏油の量の違いです。鶏油といってもニンニクや鷹の爪の香りを移した香味油です。スープは丸鶏がベースですが苦味を感じるくらいに魚介もしっかり効かせていますね。塩味ですがダシ主導のスープなのでぐいぐい飲めちゃいます。シャープな印象のスープに先ほどの香味油が合わさって重層的な旨味と丸みが出ますね。麺は三河屋製麺の細麺。キレのあるスープに合わせやや固めの食感です。しっかりとした肉質の焙りチャーシューやシャキシャキのメンマ、味付玉子など具材の完成度も抜かりない。
以前は「あっさり」と「こってり」だったのが「淡麗」と「まろ味」に変わりました。もともとは系列店だった中村屋で提供されていたゆずらーめん。今はZUND-BARやAFURIのイメージが強い気がします。らーめん含め、以前は中村屋との違いがそれほどはっきりしていませんでしたが、中村屋は徐々に方向性を変えているのに対し、ZUND-BARはかつてのレシピを忠実に守っている印象です。
創業当時からあるメニューで、いわゆる全部のせですね。かけらーめんとすべてのトッピングが別々の器で提供されます。豪華さがあり見た目にも楽しめますね。塩味のかけらーめんは誤魔化しがきかないので難しいメニューだとは思いますが、全く物足りなさを感じさせないどころか、複雑な旨味を蓄えたスープと麺をダイレクトに味わえるので贅沢な気分さえ感じます。なおトッピングの下には少量のご飯が入っています。
ゆずらーめんは陶器の器で提供されます。この器は系列店のAFURIと同じですね。通常のらーめんと比べると、柚子が入っていることによって重層的な旨味が抑えられその分さわやかさが印象的なスープとなります。とは言っても柚子が支配的にはならずに、適度なバランスを保っているところに好感が持てます。真空手もみ麺にすることで圧倒的に麺の存在が大きくなるので、「淡麗」ではなく鶏油多めの「まろ味」でもいいかもしれませんね。
丸鶏や鶏油の甘みと魚介の苦味に、ゆずの酸味や香りの効かせ方が絶妙なんですよね。それにしても、繊細なバランスの上に成り立っているはずなのに何て骨太なスープなんだろう。これだけ様々な香りを乗せてくるのだから。麺はやっぱりこの系統では細麺の方がしっくりくるかな。ただし麺を多く口に含むと小麦の香りでスープの香りが感じにくくなるので、麺は少量ずつ食べるのが個人的にベストな食べ方です。
桃のソースがかけられたブラマンジェに、ヨーグルトのような酸味の効いたアイスが添えられています。ブラマンジェはミルクの風味でアーモンドは感じませんでした。
2015年冬期限定メニュー。麦味噌のような甘味が強調されているスープです。野菜が使われていてとろみがありますが、甘さは野菜だけじゃなく味噌自体が甘いね。野菜が際立つすごく穏やかなスープなので挽肉が良い意味で味噌ラーメンらしさを出しています。麺は真空平打ち麺と同じかな。薫製された鴨肉は、香りも良くしっとりしています。ネギが入るから、つい鴨南蛮のような味付けを期待しちゃうね。蓮根の食感がスローテンポなスープに良いアクセントを付けていました。もっと野菜に焦点を当ててベジタリアンな感じのラーメンにしても面白そうだと思いました。なお、店の説明書きは以下の通りです。「じゃがいも、さつまいもをベースとした野菜ポタージュは、ふくよかな甘味と濃厚な旨味を持ちながら、後味さっぱり。丼を彩る具材は、桜チップで丹念にスモークした鴨ロース。蓮根や三つ葉、香ばしい焼き目の深谷ネギなど、様々な野菜が揃っています。最後まで飲み干したくなるような、ZUND-BAR流の味噌。ぜひご賞味ください。」