2002年4月22日オープン。一見ラーメン店とは思えない佇まいのこの店は、環七通りから一本路地を入った裏通りにある知る人ぞ知る名店です。黒を基調とした店内には、マイルス・デイヴィスが壁面に描かれ、BGMにジャズが流れるバーのような落ち着いた空間。創業当初は昼夜営業していましたが、夜の部をつけ麺専門店のFRIDAY、定休日の金曜をHOLIDAYとして営業する等、最近は多くの引き出しを見せていますね。
さまざまな素材を使用したスープは塩味ですが茶濁しています。化学調味料は使わず、名古屋コーチンの丸鶏やガラなどの鶏スープ、ゲンコツや豚足などの豚スープ、昆布や鰹節、宗田節、鯖節、煮干しなどの和風スープを別々に取り合わせるトリプルスープ方式を採用しています。鶏が主体となり海産物系と合わさった分厚い出汁に、ベルギーエシャロット、にんにく、鷹の爪の香りを加えた重層的な旨味。塩味を立たせていますが、香味油の効果もあり尖った感じが抑えられていますね。麺は三河屋製麺の極細麺。かん水をほとんど使っておらず白色をしています。歯切れの良さとスープを壊さない控えめな風味も特徴的。少し長さを残すことでスープの引っ掛かりの良さもありますね。提供直前に七輪で炙られるバラチャーシューや、柔らかさと歯応えのある食感が混在する穂先メンマも秀逸な出来栄えです。追加の味玉も含め、具材に関しても全体のバランスを考慮して味付けを控えめにしているのかな?パーツごとのレベルの高さにも目を見張るものがありますが、全体として非常に良くまとまっていて美しさがあります。
麺は細麺か極細麺を選べますが細麺をオーダーしました。なお、潮の旨味ソバは極細麺のみですが、我流旨味ソバと鶏油魚粉ソバは麺を選択出来ます。スープはその他のメニューとほぼ同様かと思いますが、我流旨味ソバのようにアルコールのような風味は感じられず独自のカラーを打ち出しています。そして最も大きな違いとして、こちらは香味油ではなく名古屋コーチンの鶏油を使用しています。複雑な旨味というよりは鶏油と魚粉による直線的な旨味。魚粉は非常に細かい粉末のためざらつきがなくスープに馴染んでいますね。ダイレクトな魚介のアプローチに対し、ねぎの上にかけられた柚子粉が清涼感を与え香りを引き締めています。麺は太さこそ違えど潮の旨味ソバと同じく無垢で滑らかな食感が特徴。決して強さのある麺ではありませんがスープのスピード感とうまく調和が取れています。我流旨味ソバや潮の旨味ソバと比較すると、よりシンプルでわかりやすい方向性を示していますが、決して力づくではなく細かな計算が施されているところに地雷源らしさを感じます。
刻んだチャーシューの上にねぎ、胡麻、刻み海苔、辛みのある味噌が乗り、全体に醤油ベースのタレがかけられています。このタレ醤油の風味が良く美味い。チャーシューは適度な噛み応えがあり、肉自体にもしっかり旨味が詰まっていますね。もちろんこちらも提供直前に炭火で炙って提供され、食欲をそそられる香ばしさです。